デジタルリテラシーの把握がDX成功のカギ

DX推進をはじめたとしても、社員のデジタルリテラシーが低い状態であれば、どれだけ経営者のトップダウンが効いていても、優秀なリーダーが担当しても進まないという問題にぶつかります。優れたツールやシステムが導入され使いこなせないだけならまで良い方です。デジタルリテラシーの低さは、変化に抵抗したり反発する人が現れる原因にもなります。なぜなら人は今までのやり方に慣れ楽に感じると変化することをストレスに感じるからです。丁寧な説明により腹落ちして自らマインドセットでき、変化に対応できる人材なら優秀です。腹落ちしてもデジタルリテラシーに問題があり必要性はわかってもできない、スキルが足りない知識がないというデジタルリテラシー難民を作らないこともDX推進の肝になります。大企業であれば人材を活用し配置転換、採用ということもできますが、中小企業の場合はそうはいきません。現在のメンバーでどのようにDXを推進し変革を起こすか、DX推進を指示する前の1stステップとしてデジタルリテラシー向上に取り組むことが必要です。

デジタルリテラシーを上げるための一例

大企業であれば何年も前から、ITパスポートの資格を全社員に取得させるよう指示がでた時期がありました。ITパスポートはおおよその学習時間100時間ということで取得が比較的容易な国家資格です。ITパスポートの学習によりデジタルリテラシーの向上も期待できますし、意識改革のきっかけにもなる取り組みだといえます。多くの大企業はITパスポート取得を推奨し組織全体のデジタルリテラシー向上に取り組まれています。

ITパスポート試験について

ITパスポートの受験者情報を見てみます。※令和4年11月データ

  • 応募者:社会人13,072人74.1%学生4,562人25.9% 
  • 合格率:社会人56.2%学生40.3% 
  • 全体:応募者17,634人合格率52.1%
ITパスポート試験Webサイト 試験結果より引用

社会人内訳では、IT系応募者が2,109人16.1%非IT系応募者10,963人83.9%。非IT系企業に勤める社会人が約8割という内訳となっています。合格率:IT系51.1%、非IT系57.2%であり、非IT系の社会人の方が受験者が多く非IT系の社会人の方が合格率が高いという興味深い内容となっています。

私も、ITパスポートを取得しましたが、学生よりも社会人の方が日常業務に関連する内容もあり、有利な印象。非IT系よりもIT系の方が日常業務の中で触れることの多い内容がありIT系有利がと思いますが、気を抜くと落ちてしまいますし、それなりに学習していかないと合格するのは難しいかと思います。

ITパスポート取得を組織で推奨することで得られるメリット

想定学習時間100時間ですので、それなりに学習した上で受験するITパスポートですので、合格すれば本人の喜びにつながります。モチベーションも上がり、アイデア出しの考え方等の変化に気づくこともあるかもしれません。ITパスポート取得によるデジタルリテラシー向上はIT系資格の入口的なものではありますが、組織のDX推進に好影響を与えてくれることが期待できます。

更にITパスポート取得による好影響事例を紹介します。

  • 自発的に次のステップの資格取得に向け学習を始めた、学習習慣が身についた
  • デジタルを活用し情報収集するようになった。情報収集の幅やスピードが向上した
  • デジタルに対する苦手意識を克服することができた
  • デジタルを活用してみようと思う自信がついた
  • 情報収集にRSSを活用するようになった

この他にも実務レベルでの業務改善や生産性向上に繋がったケースも報告されています。ITパスポートの試験範囲は広く浅くとなっていますが、ITパスポート取得に向けた学習機会や習得した知識を業務に活かすことに挑戦するきっかけになっているケースは多くなっています。

デジタルリテラシーの把握の重要性

DX推進を推し進める中で、教科書的には、経営者が経営方針を明確にし経営者自らが当事者としてDX推進に関わることと言われています。経営者やDX推進プロジェクト担当者が企業の目指す姿やDXの必要性を説明したところで、現場の担当者が腹落ちしなければ、表向きは取り組みの姿勢を見せても、実際には疑問に思っていたり、とりあえず形だけやっておこうという意味のない変化で終わってしまいます。

ポイントは当事者意識を持ってもらうことの「意識改革」

DXはトップダウンで進めるものではありません。全員の意識改革と行動変容が起きて初めて、アイデアや意見、改善が繰り返され、真の課題解決に繋がるものです。そのきっかけのひとつとして、ITパスポート取得を推奨することは、DX推進のためのウォーミングアップとなりDX推進に向けた意識改革の起爆剤となるのではないでしょうか。

現場でDX推進を進めた経験で語れること

日本のデジタル活用による競争力は海外よりも遅れているという現状から、DXを推進することで競争力を身につけることが近々の課題とされています。大企業はDXの推進に取り組み成果を生み出す企業が増えてきていますが、中小企業は成功例はあるもののスタートを切ることに課題があることも、人材不足が問題となりほとんど進んでいないという企業も多く存在します。

DXによる変革 ← 業務のデジタル化 ← デジタルリテラシー向上

DXによる変革を起こすために、デジタル化に取り組む必要があります。例えば、紙で管理していたものをデータ化しデータを集積、分析し課題抽出し改善に取り組むなど。そしてデジタル化に取り組むためには、デジタルリテラシーを向上させ、デジタル化の必要性に気付き、活用する、できる環境を作る必要があります。例えば、社員教育、自己学習機会の創出、リーダー選出などです。デジタルリテラシー向上のためには、今回の記事に書きましたITパスポート取得もひとつの手段として有効です。組織内で活発なディスカッションができるような機会を作り、全員が参加する形で様々なアイデアや意見を出し全てを自分事化させることが重要です。

DX推進スキル標準Ver.1.0が先日公開されました。まとめ記事がありますので詳細は下記リンクよりご確認いただければと思いますが、DX推進スキル標準の中で、5つの人材類型として、ビジネスアーキテクト・デザイナー・データサイエンティスト・ソフトウェアエンジニア・サイバーセキュリティが上げられています。これらの人材が揃われている中小企業は希少であり、そのような人材が揃っている企業であればDX推進は既に進んでいるかと思います。

中小企業でDX推進をすすめるための、学びの習慣

中小企業の現状を検証しますと、デジタル化が進んでない、デジタルリテラシーに問題を抱えている企業も多く存在します。いきなりDX推進の指示を出しても失敗する企業が多いのはココが原因であると考えます。デジタル化もデジタルリテラシー向上への取り組みもDX推進をすすめる上で重要であるということです。

デジタルスキル標準Ver.1.0にも記載されているように、社会環境・ビジネス環境が大きく変化する中、その変化に対応し人生100年時代を生き抜くため。組織・年代・職種に問わず、一人ひとりが自身の責任で学び続けることが重要であるとれています。DX推進を控える企業で勤める人材として、学習習慣を身につけ常に自身の責任で学び続けることが求められるということです。DX推進する人材の学習と方法については下記の記事で紹介しています。

DX推進のためには企業毎の状況と環境、課題、問題に違いがあります。DX推進に取り組む多くの企業は入口で失敗していることも多い状況です。デジタル化が進んでいない企業、現場のデジタルリテラシーが追いついていない企業、システム開発導入から進めてしまい、活用しきれず失敗を経験する企業もあります。

弊社では、DX推進の現場経験を活かし、現場のデジタルリテラシー向上、意識改革、必要に応じてチームビルディングから変革のお手伝いをいたします。現場のデジタルリテラシーを向上させることでボトムアップを図り、DX推進を進める上でぶつかる様々な壁を突破できる強い組織作りをサポート致します。ご相談無料です。

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